東京タクシー運転手としてデビューするにあたり一番心配なことはやはり道の覚え方ではないでしょうか。もともと都内道路を日常的に運転していた人や、運送業経験者や営業などであちこち運転していた人なら問題ないかと思います。しかし、私のように他県に住んでいて、都内をほとんど運転したことがない人にとっては、道路名も何かの暗号や呪文のようにしか聞こえてきませんよね。
そこで、都内運転ほぼ未経験の私が紹介する東京都内の道の覚え方を紹介します。
これからタクシードライバーを目指す人や、デビュー間もなく都内の道路に自信がない方などぜひ参考にしてください。
実地経験の積み重ね
道を覚えるには、実地での経験が不可欠です。タクシー運転手は、頻繁に地域を走り回り、道路や地理的な特徴を覚えることが重要です。新しいエリアに行く際には、可能な限り異なる経路を試してみて、地形やランドマークを覚えるよう努めましょう。
デビューされた方はよく聞かされるフレーズかもしれませんが、
- 道路は実車で覚える
- 道路はお客様から教わる
これは私が経験した中でもかなりの重要度高いキーワードですね。
なぜ空車中には覚えられないのでしょうか?おそらくは空車中でも覚えられるのでしょうが、空車中は、お客様を見つけたり、次はどの道に行ってみようかな?と、一つの目的に向かって進む実車中と比較して覚えるための要素がかなり削られているからではないでしょうか。
また、『道路はお客様から教わる』は、決してお客様に「教えてください」の意味ではないことはお分かりかと思います。
お客様で毎日タクシーを利用している人や、地元の人は、交通事情に非常に詳しい人がほとんどです。
毎日、同じ時間、同じルートを使っているお客様は、信号のタイミング、流れるレーンなど熟知しています。我々タクシードライバーは毎日同じ時間に同じ条件で同じルートを走行することはまずほぼあり得ないので、ここは道の詳しいお客様に教わりそして覚えたルートは我が物のように身につけることが、重要です。
地図とナビゲーションシステムの活用
道を覚える最も効果的な方法の1つは、地図やナビゲーションシステムを活用することです。紙(冊子)の地図が良いのかスマホアプリやPCなどの地図ナビが良いのかは人それぞれになるかと思いますが、私は、冊子の地図とスマホやPCの地図アプリの双方を活用しています。
スマホアプリや車載のナビは運転中にリアルタイムの交通情報を提供し、最適な目的地までのルートを示してくれるのでとても重宝しますが、それよりも1日の乗務を終えたあと、今日走ったルートを地図を使って復習することが非常に重要です。これも冊子の地図でもGoogleマップでもナビタイムでも良いのですが、まだ走ったルートの記憶が新しいうちに、再度地図をなぞることで、脳内の白地図がどんどん埋められていく効果をここで得るために、後日ではなくその日のうちに復習しましょう。いつまで経っても人生予習と復讐の繰り返しですね。
走ったルートの反復走行
地図を覚えることは、タクシー運転手にとって重要なスキルですが、その覚えた道を繰り返し活用することで本当に覚えたと言えるでしょう。
前回、道の詳しいお客様に教えてもらったルート、自分で地図を見て「このルートいいんじゃない?」と思えるルート、会社のベテランさんから教えてもらったルートを、実際自分でもう一度、走ってみることは道を覚える方法として非常に効果的です。試し走りをいきなり実車で行うのはちょっと緊張する。という方は空車中に、一度自分で走ってみることをお勧めします。もちろんそんな時間がもったいない。と思えるかもしれませんが、無駄と思える走行はデビューしたての頃にしかできないことです。
正しくは「新人の頃しかできない」ではなく「慣れてくるとやらなくなる」と言った方が良いでしょう。
慣れてくると、徐々に自分の得意な地域しか営業しなくなり、行動範囲が狭くなってしまいます。またせっかく遠距離のお客様を乗せても、知らない土地では営業できないから。と慣れた土地に戻ってしまい、ロスが発生してきます。
なので、頭の柔らかいうちに道の復習と反復走行をする癖を身につけましょう。
また頻繁に地図を見て、視覚的な記憶と脳内の地図を結びつけられる能力を強化しましょう。脳内の白地図をどんどん埋めていくことが非常に重要です。
地図は、スマホのアプリでも、冊子の地図でも良いのですが、私は、やはりおじさんなのか、冊子の地図が頭に入ってきやすいですね。
サイズはやはり大きければ大きいほど良い!広い視野で隣の区とのつながりも見渡せて覚えやすいです。
東京タクシーセンターで入手できる地図は非常にわかりやすいですね。
私はそれと合わせて使っているのが、昭文社が出している
[街の達人]
この地図は、〇〇通り、とか〇〇街道、〇〇坂
などのように、東京タクシーセンターの地図や、スマホアプリなどの地図にも載っていない名称も事細かに掲載されています。
お客様に、通り名や坂の名前を言われて、わからなかった時、教えられた時などは、この地図を手に取り復習すると良いでしょう。必ず自分の知識となって蓄えられるはずです。
道路規則の遵守と道路の”癖”を覚える!
道を覚えるだけでなく、安全運転と道路規則の遵守も重要になってきますね。
そして大事なことが
道路の”癖”を覚える!
です
”癖”というのは”特徴”とか、車線の増減、規則標識の設置などのその道路固有の情報を私はこう呼んでいます。
片側2車線の道路で、随分と自分のいるレーンだけスイスイと流れるなあ。と思ったら右折レーン。しかも車線変更禁止帯。もう強制的に右折するしかなーーい!
なんてことに遭遇したことはありませんか?
カーナビやスマホアプリの地図なら、レーンの案内もしてくれますが、おそらくは案内された時にはすでに遅し。ですよね。やはり、その道路をよく理解して、どのレーンにいれば問題ないか?をしっかり学習することが大事ですね。
また、右左折等できない交差点や時間帯によっては進入できない道路など本当にたくさんありますよね。
こんな実車中にこんな標識に知らずに出会ってしまったら心臓バクバクですよね。でも慌てず騒がず、標識が規則のトップです。
お客様の指示であっても絶対に従わないこと。
え!みんなここ通行してるよ。早く進行してよ!
なんて平気で言ってきます。
私はこんな時、必ず
みんな進行しているのはみんながルールを守っていないのでして
私は進行することができません。申し訳ございません。迂回します。
と、少々、嫌味ったらしく??伝えます。仮に怒鳴られても、怒られても、規則標識が絶対です。皆様も交通規則を破ってまでお客様の指示に従うことのないよう、日頃から、地理だけでなく規則標識の知識も熟知していきましょう。
私は、不慣れな土地に行った時など、帰庫して家に帰った時に走った経路を地図でなぞり、復習しますが、もっと良さそうな道があった時など、本当にそこが通れるかどうかを確認するために、googleマップのストリートビューを活用しています。マップ上で経路をなぞり、道路標識を確認して、通れる時間帯や右左折の可否などをチェックし、次回に活かすようにしています。ストリートビューは本当に素晴らしいですね。
まとめ
デビューして半年もすると、運転も慣れてきて、なんだか、余裕が出てきます。その時が一番危険な時期です。
まずは安全運転を心がけることが第一です。安全運転であれば急なお客様の指示や、走行中、見知らぬ土地で、不意に現れる規則標識も落ち着いて対処しやすくなります。
また一度通った道は、標識も含め、覚えるようにすると良いでしょう。次に同じ経路で実車で走る時、時間帯によっては通行できない箇所や終日進行できない道路など、あらかじめわかっていれば、的確に対処できます。
道を覚える3つのポイント
- 走った道路を地図を使っての復習と反復走行
- 道路の癖を覚える 右左折レーン、車線減少等の癖など
- 交通規則の遵守 標識の理解を深める
上記3つを駆使して
実地経験の積み重ね
学問に王道なし
つまり
高営収に王道なし
ちょっと大袈裟だったでしょうか?
ぜひ皆様も、上記の内容について、さらにご自身で工夫をして、安全で高営収なタクシードライバーを目指しましょう。
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