2023年の夏のある夜。
〇〇〇したくなっちゃった
からの乗り逃げに遭遇
タクシー乗務員をやっているとまあ、色々なお客様に出逢います
乗り逃げするお客様のお話はよく聞くのですが私がその被害に遭うとは
お客様はカップルでした
とても仲よいカップルで車内でもくっつきっぱなし
バーベキューに行ってきたのか
トランクにもバーベキューセットを乗せて帰路へ
大井町駅前付近からご乗車され青物横丁の彼女のマンションまで
荷物を下ろした後は彼氏だけもう一度 大井町駅まで戻られるとのことです
22時も過ぎてるし割増料金で
往復2000円弱というところかな？ありがたい
車内では
彼女：『楽しかったね』
彼氏：『うん 本当に まだ帰りたくないなあ』
彼女：『だめだよ、明日会社でしょ 急がないと京浜東北線なくなっちゃうよ
関内まで遠いんだから』
おー関内ですか！
そこまで送ってあげてもいいですよー
なんて言葉は書ける自信もなく寡黙に運転に集中
相変わらず車内では
彼氏『ねえ、泊まってっていい？』
彼女『だめだよ、明日早いんでしょ 横浜まで帰らなきゃ』
彼氏『えー、泊まっていきたいな それともうちこない』
彼女『だめだよ 私だって明日早いんだから』
彼氏『えー、でもしたくなっちゃったーー』
おいおい、遠慮もない発言 確かに私は黒子です
運転手は黒子です
でもちょっと遠慮してよー
タクシーは青物横丁を過ぎたあたりの彼女のマンションへ到着
彼女『運転手さん 荷物を下ろしたら、そのまままた大井町までお願いします』
私『はい』
彼氏『あ、俺も手伝うよ』
彼女『いいよ、すぐ帰りなよ』
彼氏『すぐ終わらせるから 荷物上にあげるだけだから、手伝うよ
運転手さんこのままメーター入れて待っててください。すぐ戻りますので』
そしてそのまま 二人は１時間以上戻ってきませんでした
すぐってどのくらいだろう？
会社に電話して
『すぐ戻ると言われて20分以上過ぎているんですが離脱してもいいですか？』
と質問しましたが 『戻る』『待つ』が成立しているから勝手に離れられないとのこと
こういう時は何分くらいという定量的な時間を聞くものであるのだと勉強になりました
二人が入って行ったマンションは
入り口がオートロックのセキュリティーのかかった建物
もちろん、ロックがかかっていないからと
二人が入った部屋であろうところを『ピンポン』してはいけない決まり。
仕方なく泣き寝入りです。
もしかすると悪気はないのかもしれませんが
自分の欲望のために他人に迷惑をかけることがないようお願いしますね
メーター料金はともかく貴重な時間を
『待機』という時間で潰してしまった そんな初夏の夜でした
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